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本読む生活

は行〜

はてしない物語

 いじめられっこバスチアンが、つい盗んでしまった本「はてしない物語」。本好きのバスチアンは、それを読みふけるうちに、不思議な体験をし、次第に本の中に引き込まれていきます。
 このバスチアンと、バスチアンが読んでいる本の物語が、交錯しながらすすんでいくのですが……。
 物語に登場するヒーローの少年アトレーユ、アトレーユが住む世界ファンタージエンを襲う未曾有の危機、アトレーユが出会う幸いの竜フッフール、そして幼ごころの君。
 幼ごころの君とファンタージエンを救うことは、バスチアンにしかできず、アトレーユの役目はバスチアンを連れてくることだったのです。
 世界を救ったバスチアンは、なんでも願いを叶えられるようになります。しかし、それと引き換えに失うものがあることには、気づくことができませんでした。
 このままではバスチアンは、何もかも手に入れながら、何もかもを失ってしまいまうのですが……。
 昔、この話の前半が映画化され、この話とはまったく関係のなさそうな続編映画まで公開されたとき、書店でこの本と出合いました。
 映画の出来は、作者を激怒させたそうですが、日本版のハードカバーは、最高の出来と絶賛されたそうです。(ソフトカバーもでています。)
 なにしろ物語の中で、バスチアンが読んでいる本を、そっくりそのまま再現してしまったのですから。
 そのことの意味は、読んだ後にこそじっくりと感じられるでしょう。
 ただし分厚くて、中身はみっちり詰まっています。
 物語も、個性的で濃厚です。
 実は私も、この本を知ってから読み始めるまで、二十年ちかくかかりました。が、読み始めたら最後まで、目が離せませんでした。
 決して平凡な話ではありません。そして、慌てて読む必要がある本でもないのだと思います。その時は、おのずとわかります。

ハリー・ポッター シリーズ

 ひどく常識的で世俗的な義理の養父母や家族に虐げられてきたハリーのもとに、突然魔法学校からの入学許可証が届きました。
 ハリーは、惨めったらしい生活を抜け出し、夢のような学園生活を送り始めます。
 本は高いしUSEDが激安なので、重いけれど、今まで本の分厚さや、話題になりすぎなことに敬遠していた人でも、中身は普通の子供向けライトノベルで、そんなに文章もぎっしりはつまっていないので、読んでみてはいかがでしょう?
 世界的人気作ですから、関連商品もたくさんでています。
 映画の出来はいいので、それですませるのもいいかもしれません。

パソコン通信探偵団 シリーズ

 パソコン通信でおしゃべりしながら事件を解決するという推理ものです。推理といっても、パズルやクイズを解くようなものなので、パズルやクイズ本に物語がついた、と考えるとわかりやすいかもしれません。
 いえ、それよりも、パソコン通信なんて、いまどき知っている子どもはいないと思います。文字だけのインターネットで、もっと不便なものなわけですが。
 いえ、それよりも、現代物小説は携帯電話の普及によって、大打撃をうけました。携帯電話が日常的に登場しない小説は、全部昔の小説になってしまったのですから。
 あ、いえ、そこは小学生ぐらいなら、もってない子も多いからいいのですが、最新の技術を使った話は、とかく廃れやすいということで。
 いえ、本当に大変なんです。子どもに最新のことを教えるジャンルの本は全て。二〜三年で古くなっちゃうんですから。
 ちなみに新しい巻は、インターネットを使ってます。

ひかりの国のタッシンダ

 霧に閉ざされた平和な国。
 そこには銀色の髪と青い目の人々が住んでいます。
 そこに大きな鳥が、外の世界でさらった金色の髪と茶色の目の赤子をもたらしました。
 なんと毛色の変わった子だろうと人々に可愛そうがられながらも、その赤子タッシンダは何事もなく成長し、美しい娘となりました。
 ある日外の世界から悪い大男がやってきて、ちょいと周りと見た目が違うタッシンダに目をつけ、さらっていってしまいます。
 そして・・・・・・。
 まあ、人の見た目で差別するのは無意味だ、人と違ってたっていいじゃないか、という話です。
 ですが、並の話ならタッシンダはまわりから仲間はずれにされて、となるのですが、そんなことはありません。圧倒的にいい人ばっかり。タッシンダも、あまり気にしてない様子。
 幻想的な世界と善良な人々、そして冒険とで、素敵なファンタジーになっています。

ふらいぱんじいさん

 目玉焼きを焼くのが大好きなフライパン爺さんは、新しいフライパンがきて、お役ゴメン。泣き暮らしていたところにゴキブリがきて、旅に出ることを薦めます。
 そこで、生まれてはじめて冒険に出たフライパン爺さんは、ジャングルにいったり、砂漠にいったり、海にいったり。
 どこかノンビリした大冒険の、はじまりです。
 挿絵も多く、全部ひらがななです。


小説版 ポケットモンスター

 アニメ版ポケットモンスターの、ノベライズです。
 しかも、一般書ですので、ルビとか入っていません。
 私はこれを、小学校低学年の読み聞かせに使っていました。
 といっても、内容が低学年向けなのではありません。挿絵も僅かしかありませんし、見せもせず、読み聞かせるだけでした。
 ですが、なまじの絵本より、よほど真剣に聞いてくれました。
 アニメで見ていたことや、ある程度知っている話であるために、イメージしやすく、一字一句聞き逃すまいとしていると感じられました。
 その後この本は小学校に寄贈しましたが、ルビも子供向けではないので、特に低学年の子どもが読めるものではないのですが、子どもたちは自分の読みたいものを、一生懸命読もうとしていたようです。
 数多くあるポケモン関連商品の一つで、もちろんポケモンの名前と絵をつかっているものがぜんぶ面白いとはいいませんが、こういう小説もあるのだと、子どもに薦められる本が教育的な目的をもっているとか、名作として知られているとかだけでないことを、知ってくれればと思います。
 けれどそろそろ最近は、ポケモンアニメの最初のほうの話を知らない子たちも増えているようで・・・。
 ツボにはまる本は、また別に見つけてあげたいものです。
 ただ、関連商品の出来不出来はかなり大きいので、内容を確かめてからどうぞ。