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本読む生活

か行〜

ガイコ

 主人公ガイコは、ガイコツの女の子。ガイコツの島に住んでいます。
 ある日空から舞い落ちたリボン。それを身につけたことから、周囲を巻き込みながら、ガイコの人生? は変わっていきます。
 収録の短編「ミリ・タンポリ!」と共に死を、そしてそれはつまり生を描き出しています。
 普通の、ただちょっと毛色が変わっているかのように見えて、それでいて大きなものを含んでいる、そんな話です。

かいけつゾロリ

 くちこみで人気になり、アニメ化で大ブームになった児童書です。
 最初、よい子で正義の味方のほうれんそうマンの敵役として登場したこのゾロリを、挿絵を担当した原ゆたかが気に入って譲ってもらい、ゾロリを主人公にしたシリーズがはじまりました。
 悪で、めちゃくちゃで、とんでもないやつだったゾロリも、人気には勝てなかったのか、いじめ→いたずらに変わり、悪事を目論むが失敗する、いいところもあるヤツになってしまいました。
 見かけも低学年向き児童書で、最初は絵本のようでしたが、だんだんマンガのようなコマ割りになってきました。つまり、低学年向けです。
 これは読み聞かせには使いません。内容が問題ではなく、マンガみたいなコマ割りは、読み聞かせにくいんです。
 そんなわけで、「マンガとゾロリは、自分で読みなさい」とつきはなしました。それでいいんじゃないでしょうか?
 とにかく数が多いので、家にないぶんを、図書館で借りてでも読んでいます。
 それからアニメ化を機会に、関連商品も山ほど。
 アニメもDVDになっていますが、初期のものの評判がよいようです。

かいぞくポケット 全20巻

 ポケット ケポット トッポケト
 不思議な呪文が聞こえたとたん、海賊船ポケット号に乗った、子どもの 海賊ポケットでした。
 手下は大人。
 砲撃の名手ジャン。
 力自慢のケン。
 料理の天才のポン。
 三人そろってジャンケンポン。
 そして魔法ネコのアイコ。
 世界の宝と不思議を探して、奇妙な冒険の旅に出発です。
 幼児に一章づつ毎日読み聞かせていたら、20巻全部終わってしまいました。
 最初のころは、章の最後に書かれている、次の章を読むおかしな条件をクリアしようと、大騒ぎでした。

怪盗クイーン シリーズ

 AIと忠実な部下と共に、飛行船で暮らす謎の怪盗クイーン。
 この世に盗めぬものはなく、盗む前に予告状は忘れない。
「あなたは予告状を、度忘れ防止用のメモがわりに使おうというのですか?」(「いつも心に好奇心! (ミステリー)」収録 「怪盗クイーンからの予告状」より抜粋)
 はやみねかおるの、才能にあふれ、かっこよくて、ぐーたらで、おちゃめな怪盗クイーンとその仲間たちの痛快な怪盗小説。
 上記「怪盗クイーンからの予告状」は、同作家の名探偵夢水清朗との、夢の競演です。
 結構分厚いし、小学校にも図書館にもないのに、小学校で読んでるっていう子がいて、びっくりしました。好評続刊中みたいですね。

怪盗ルパン シリーズ

 謎の怪盗、アルセーヌ・ルパン。今30〜40代になってる、元本好き少年少女ならば、必ずや読んだことがあるだろう、冒険活劇小説です。(ミステリーではありません。)
 いろいろなバージョンが出ていますが、中でも人気があるのが、「南洋一朗」翻訳版で、古い版はコレクターズアイテムになっていますが、今でも新刊を買うことができるので、心配いりません。
 世界的にも有名な小説ですから、何度も映像化されてもいますし、ルパンと名のつくあれやこれやも山ほど。ほとんど一般名詞になっていますね。
 もっとも、作者ルブラン自身も、先に人気の出ていたコナン・ドイルの名探偵ホームズを、(勝手に)ルパンシリーズに登場させています。当時は名前をもじっていたそうですが、今ではすっかり、ホームズです。

キャプテン・フューチャーの冒険

 キャプテン・フューチャーは、脳だけの科学者、ロボット、アンドロイドのチームで、宇宙の正義を守るのであった!
 というわけで、古典スペオペです。
 スペオペという言葉には、いい加減な怪物が出てきて、美女が悲鳴を上げてヒーローが倒すだけの、くだらない話という意味があります。しかし海を越えて日本に紹介されるときには、名作だけが選ばれますから、日本ではそこまで悪いイメージはありません。
 これは、そうした名作スペオペ、キャプテン・フューチャーシリーズの中の一作の、子ども向けダイジェスト版です。
 NHKが一度アニメ化しています。

クラバート

 一人の少年が、魔法の学校に入って……。という話だということで、ハリポタみたいなにを想像してると、めんくらうこと間違いありません。
 クラバート、クラバート、夢の中で呼ぶ声。
 暗い森、湿地にぽつんとある水車小屋。そしてカラス。
 時折のバカ騒ぎ。押しつぶされるような不安。
 ハリー・ポッターよりはずっと重いけれど、指輪物語よりはずっと軽い物語。重厚だけど、読みにくくはありません。
 古くから伝わるクラバート伝説を元にした、プロイスラーの大作です。
 派手なエピソードはありませんが、薄暗い雰囲気が魅力的で、一気に読めてしまいます。大事件はないけれど、読んでいる間、ハラハラどきどきします。
 本は分厚いし、字がぎっしりなので、子どもにはとっつきにくいかもしれません。
 宮崎駿が『千と千尋の神隠し』の下地にしたとも言われていますが、クライマックスのエピソードがちょっと似てるかな? というだけです。

黒魔女さんが通る

 ここのところ、小学生中〜高学年に人気が出てきている小説(続刊中)。短編集で、軽くてキャラが立ってて、明るく楽しいライトノベル。
 初っ端から引きが強いから、今まで本を読んでなかった子でも楽しめる。しかも児童書児童書していないから、次のステップにも進みやすいんじゃないかと思う。
 小学生の生活が主な舞台だけど、最近の本だから、古さも感じないし。
 冒頭部を小学校の読み聞かせたら、ひさびさに大うけでした。この本は図書室にも図書館にもないし、これも学級文庫用に寄贈できないっていったら、不満そうでしたが。

クレヨン王国 シリーズ

 クレヨン王国というファンタジー世界があり、それと絡むさまざまな話。といっても、それぞれの話はリンクしておらず、内容の傾向もまったく違っていたりするので、クレヨン王国というファンタジーのブランドだと考えた方がいいかもしれません。
 その一冊目、「クレヨン王国の十二ヶ月」は、悪い癖を治すという、わりと平凡な話ですが、「クレヨン王国 新十二ヶ月の旅」で、それがひっくり返って、悪い癖を失ったことで魅力をも失って、その個性を取り戻すという話になっています。
 この二作を原作にしてアニメが放送され、そのアニメを原作とした関連商品が、多数作られました。

ゲド戦記 4部作

 少年が魔法の学校に入って……。少年の成長物語。
 1は、そんな話です。
 派手な魔法は出てきません。戦記というけれど、斬った張ったファイヤーボール! といった戦闘シーンを期待して読むと、肩透かしを食わされます。
 小学生だと中学年以上かな。高学年向きと言えるかも。3、4になると大人の経験がないと、面白くないかもしれません。

合成怪物の逆しゅう

 ジョンは、結婚したばかりの妻マーサと共に、交通事故で車ごと谷底に落ちて死んでしまった。しかしジョンは、意識を取り戻す。体を全て失った脳だけの存在として。整然の契約に従い、脳がコンピュータの部品となったのだ。意識のない部品にしかならないはずだったのだが……。
 ジョンは、マニュピレーターを操作してゴケシセという人工生物を作り、真実に迫っていきます。
「合成怪物の逆しゅう(逆襲)」は、合成怪物/合成脳のはんらん、といったタイトルより「ゴセシケ」の通称で、過去の本好き少年少女の記憶に深く刻み込まれている名作。いや怪作でしょうか?
 今の子どもたちの記憶にも、深く刻まれるのでしょうか?
 子ども向けダイジェスト版ですが、これ以外に訳されたことはないようです。