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本読む生活

た行〜

タイムマシン

 タイムマシンを作り、遠い80万年後の未来に向かった男が見たのは、じつに平和でのんびりとした世界でした。人々が小柄になり、男女の見かけの差も小さくなっているのは、戦いも重労働もないからだとそう思われたのですが、その平和は、表面だけのものにすぎなかったのです。
 また、三千万年後の未来では、その人々も滅び、地球は終末を迎えています。
 すべてのタイムマシンが登場する物語の元祖が、この「タイムマシン」です。
 二度映画にもなりましたし、何種類もの翻訳が出ています。
 この「タイムマシン」以外にも、多種多数の翻訳が出ています。

小さいおばけ

 古いお城に住んでいる、小さなおばけ。おばけは、昼の世界を見てみたいと思っていたのですが、突然なんの前触れもなく、その願いがかないます。
 ところが、体は真っ黒になってしまうし、町では騒動になるし、夜の世界には戻れなくなるし。
 いったいどうやったら、もとの夜のおばけに、もどることができるのでしょう?
 そんなわけで、昼の人間の世界に紛れ込んでしまった、小さなオバケの話です。
 小学校中学年ぐらい向けだと思います。

地下室からのふしぎな旅

 薬屋のチィおばさんのところに届け物に出かけたアカネは、地下室に突如現れた怪しい男、ヒポクラテスに遭遇します。
 ヒポクラテスはこの薬屋の地下室にかんする契約の更新にやってきたと言いますが、何がなんだかわかりません。チィおばさんとアカネは、ヒポクラテスと一緒に、彼の世界に向かったのですが……。
 典型的な、そしてよく出来た、異世界冒険ものファンタジーです。

地球の狂った日

 突然、世界が変なふうに見えるようになってしまいます。光の速度が、異様に遅くなったのです。目の前の出来事は、しばらくしないと見えてきません。すこしはなれた場所の出来事となると、もっと時間がかからないと見えてこないのです。離れた所にある時計に近づいていくと、針がぐるぐる回って見えるのです。
 この原因不明の非常事態の中でも、新聞記者のマランバルは特ダネを得ようとがんばります。
 この「地球の狂った日」は、もともと子供向けダイジェスト版の再販ですので、子どもにも読みやすいと思われます。
 古い児童書には、もっとオリジナルに近いティストのものがあり、そちらでは非常事態の中でもしぶとくこすっからく立ち回るドタバタ喜劇という雰囲気になっています。

ついらくした月

 月がどんどん地球に近づいてきます。
 地球に墜落することはわかっていたのですが、政府は混乱を避けるために、真相をぼかして発表しつつ、人々に防空壕を掘らせます。
 そしてついにその日。月は大西洋に墜落し、世界的な大災害が発生します。
 そこから生き残った人々は、生き延びるために立ち上がり、復興の兆しも見え始めるのですが、次第にそれは戦争という形をとっていくのです。
 暗く救いのない話が、淡々と語られます。子どものころに読み、強い印象を受けた人も多いようです。
 子どもむけダイジェスト版ですが、他の翻訳はないようです。
 現在出ているバージョンは、竹本泉の絵が、実によくマッチしています。

デルトラクエスト シリーズ

 王のご学友は王宮を追われ、国を守る七つの宝石が奪われた。リーフは僅かな手がかりを頼りに、宝石を探し出す冒険の旅に出る。
 子どもたちの間で自然に話題となった人気のシリーズです。
 大人が読むと、ネタはすぐに割れてしまうのですが、このぐらいのわかりやすさこそが、子どもにはちょうどいいのかもしれません。
 つい何か教え諭そうとしたりして、話をダメにしてしまいますから。

寺村輝夫の王さまシリーズ

 オムレツが好きで、隣の国のお姫様が好きで、いいかげんで、ちっとも偉そうじゃない王様の、ちょっとナンセンスな、おもしろいお話。
 かなりの冊数が出ているし、最近では小さな王さまシリーズも出ているようです。
 対象年齢は、かなり幅広いような・・・。

ドラキュラ物語

 ロンドンの弁護士ハーカーが、ロンドンの土地の購入を希望しているトランシルバニアのドラキュラ伯爵に招かれました。
 もちろんドラキュラ=吸血鬼というのは、この小説がメジャーになった後のことですから、ハーカーは、そんなことは知りません。
 城に入る前から怪しい出来事が次々と起こり、伯爵の秘密へと少しづつ近づいてしまいます。
 契約を終えた後、ハーカーは逃げ出したのですが、伯爵はロンドンへとやってきます。狙われたのは・・・・・・。
 怪物の代表格となり、吸血鬼の貴族的なイメージはここから発祥したといっていいかもしれません。小説にも映画にもマンガにも登場し、時としてお笑いのネタになり……。吸血鬼ドラキュラを知らない人はいないでしょうが、ドラキュラを読んだことがある人、ドラキュラがどんな話なのか知っている人は、案外少ないのではないでしょうか? いえ、こうした小説があったということすら知らない人も、多いかもしれません。
 この小説は、子ども向けダイジェスト版ですが、他にも多種多数の翻訳が出ています。

ドリトル先生物語 シリーズ

 人間を診るお医者だったドリトル先生。そのころはよかったものの、かわいそうな動物を家に連れ帰って、家の中を動物だらけにして、みんなに愛想をつかされました。
 けれどドリトル先生は、オウムに動物語を習い、動物のお医者として一時成功したものの、結局生活できなくなってしまいます。
 そんなとき、アフリカの動物から、助けを求める知らせが入りました。
 「ドリトル先生アフリカゆき」は、こんなふうに始まりました。
 この話を皮切りに、動物語がわかるお医者さんとして、冒険につぐ冒険がはじまります。
 倫理観が古いのは、書かれた時代を考えるとしかたがないことかもしれません。それゆえに読まない、読ませないという選択は、もったいなくもあり、そして臭いものに蓋でしかありません。
 何度か映画にもなっています。

どれみふぁけろけろ

 かなずちの少年が、カエルの学校にまぎれこんで、泳ぎを習う話です。
 全文ひらながで、文章の量は少なく、全ページに二色刷りの挿絵があり、絵本にちかく、1年生ぐらいの子が自分で読む本です。
 読み聞かせるときでも、歌のところが「どれみふぁけろけろー」だけなので、音程考える必要がなく、たすかりました。歌は、小さな子には受けるのですが、お話の間にある音程なしの歌詞だけというのは、読み聞かせのさい、どうにも個人的に苦手でして。
 小さな時は読み聞かせてもらい、ひらがなが読めるようになったら自分で読む本でしょう。