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本読む生活

や行〜

ゆかいなヘンリーくん シリーズ

 主人公のヘンリーくんは、アメリカの小学三年生の、ごく普通の男の子。
 なんでも作者は、当時それまでの「そんな子供いねーよ」な子供ばかり登場する子供向け小説に嫌気がさしたとか、司書をやっていてそんな子供たちの声を聞いたとか?
 犬を拾ったり、グッピーを飼ったり、友達のボールなくしちゃったり、学芸会で嫌な役をもらったりといった、ヘンリーくんの日常生活の短編集です。
 沢山シリーズが出ていて、巻が進むごとに年齢も上がっていきます。
 また、このシリーズに登場するラモーナという女の子を主人公にした、別シリーズもあります。
 もちろん昔の作品ですし、日本の小学生の日常とは違いますが、その両方のせいで、今でも違和感なく面白く読めます。

ライギョのきゅうしょく

 ドーナツ池の、なかよしのライギョとタナゴは、そろって魚の学校の一年生で、ライギョ組とタナゴ組へ。
 ライギョ組の時間割は、給食ばかり。
 タナゴ組の時間割は、かくれんぼばかり。
 なぜならライギョは小魚を食べることが、タナゴは食べられないように隠れることが、生きていくということだから。
 それを知ってしまった二匹は……。
 食べる、生きるということがほのぼのと伝わってくる話です。
 この作家は、水物が好きなのでしょう。電車好きが作った電車の絵本が面白いように、本当にそれが好きな人が作った本は、訴えかけてくるものがあると思います。
 この作家の、他の本もおすすめです。

両棲人間

 アルゼンチンの海辺に、海の悪魔の噂が広まっていました。
 船主ズリタと老真珠とりのバルタザールは、その海の悪魔が実在することを知り、つかまえて大もうけしようと目論見ます。
 しかし当の海の悪魔イフチアンドルは、自分がそんなふうに呼ばれていることすら知りません。彼は天才的外科医サルバトール博士によって作られた、両棲人間だったのです。
 ある日イフチアンドルは、海で溺れている娘を助け、一目ぼれしてしまいます。
 この小説については特別好きなので、別にサイトを作り、オリジナルから翻訳したものも公開しています。
 ぜひ読んでいただきたいと思っています。
 両棲人間

ルドルフとイッパイアッテナ シリーズ

 トラックに飛び乗って、見知らぬ町に来てしまった黒猫のルドルフは、のらねこのイッパイアッテナをはじめに、いろんな人や猫や犬と出会いながら、成長していきます。
 ものすごく有名な児童書ですから、いちいち私がここで紹介するのもなんですが、有名だからと敬遠している人にも、本当に面白いから読んでみろと、おすすめしたい本です。
 NHKでやっていた毒蝮三太夫による読み聞かせも、なかなか味わいがあって、いいものでした。ビデオが出てるようです。


わかったさんのおかしシリーズ

 おかし作りをテーマにした、とってもシュールな物語。
 本当に、物語の手順でおかしができるのもおいしいし、ああしましょうこうしましょうと、おしつけがましいところがないにもいいです。
 ただ、読み聞かせで困るのが、歌。
 歌のところ、苦手なんです。ただ読み上げるのも芸がないし、かといってメロディをつけられるほど器用でもないし。読み上げるだけでもいいはずなんですが。
 自分で読んで、おかし作りに挑戦しておらうのがいいかも。
 ただ、おかしというのは、結構分量をきっちり合わせ、器用にさくさくすすめないと、うまくできなくて。
 というわけで同じ作家の同じテイストで料理をテーマにした、こまったさんシリーズ(おはなしりょうりきょうしつシリーズ)を先に、おすすめします。