病気療養のため、塩浴中のオス
最初ケシ粒ほどの血班が矢印の部分にあらわれ、翌日それが尾びれのフチにそって拡大し、そこからゴマ粒ほど尻尾がえぐれた。
塩浴がきいたのか、それ以上には拡大しなかった。
ある日突然、カボンバがバラバラになった。
そして尾ぐされ病の発症。
少量少量頻繁な水換えと塩水浴によって、どちらも回復した。
これはその記録である。
カボンバは、もともとアルカリ性に弱いので、ややアルカリよりの水を好むグッピーにあわせた水質には合わないそうだ。
けれどグッピーは結構適応するので、我が家では弱酸性の水でもグッピーたちはへっちゃら。カボンバも最初生き生きしていた。けれどカボンバはグッピーよりも水質の悪化に弱いので、水質が悪化するとグッピーよりも先にへたりるようだ。
カボンバが弱ったのは水質悪化の知らせ。
これが今回得た教訓である。
水槽は、初日朝昼晩とバケツ一杯(約6L 全量の約一割)水換え。後一日一回バケツ一杯。水槽の状態を見ながら続ける。
尾ぐされ病のグッピーは、隔離して、病気が治るまで塩水浴させる。
四角いペットボトルの口をきって、1リットルのケースを2つ作成。
1リットルの水槽水に10g(5cc)の塩で1%塩水をつくり、グッピーを入れる。初日は塩をまぜずにグッピーを入れ、自然と塩分濃度があがるようにする。水温が下がらないように、洗濯バサミで水槽のふちにぶらさげるよに固定する。
一日一回、もう一つのケースに水槽水を取り同じ濃度の塩水を作り、全量交換。というかグッピーを移動。
尾が元に治ったら、塩分濃度を少しづつ下げて様子を見、大丈夫そうだったら水槽に戻す。
『尾ぐされ病 ヒレが溶けて死にいたる病気。ヒレの怪我にばい菌がついて増殖するため、水質が悪いとき、尾びれが大きなオスのグッピーに発症しやすい。
進行は早く、うつるので、病魚は隔離し、治るまで1%の塩水にて飼う。このばい菌は、塩水には弱い。重症でなければ、病気が治ればヒレも回復する。
今まで、ものすごい勢いで育っていたカボンバ。確かに購入したときよりも、新しい葉は一回り小さかったが、これは水草用にケアしている水槽じゃないからだろう。けれどここ一週間、だんだん成長が悪くなってきていた。
しかしカボンバの成長に手をやいていた私は、こりゃちょうどいいぐらいにしか、思ってはいなかった。
グッピー親5、アカヒレ7、コリドラス3、グリーンネオン10、エビ14、そして爆殖中のグッピー稚魚約60。
水質変化に弱いといわれるエビへの遠慮と、もう一番危険な時期は脱したという安心感。水質の変化に弱いといわれるエビに配慮しての、水換え量減少。
60L水槽で週に一度10L水換えでは、水質の悪化は、まぬがれなかったのである。
4月8日
カボンバが一本、突然崩壊した。クキをエビに食われたのかと思った。
4月9日
カボンバのクキが、次々と溶けてばらばらに! 慌てて水質検査をする。PH、亜硝酸塩ともに、異常なし。
ただし我が家のPH検査キットは、はっきりいってよくわからない。
4月13日
よくわからないが、PHが下がっているような気がしないでもない。
その上、肌色のオス親グッピーの尾の端にぽつんと赤点が!
水質改善&急変を避けるため、エサを極少量にしつつ、バケツ一杯づつ、朝昼晩と水換え。ついでにアカヒレ2匹を無加温水槽に移住。本当は全部移住させたかったのだが、つかまえられなかった。
しかし焼け石に水だろう。また新しい稚魚が生まれている。
以降、毎日バケツ一杯の水換えを続けることにする。
4月14日
オス親グッピーの尾の血班が、昨日の三倍ぐらいになっている。
どうやら尾ぐされ病の発症と見当をつける。
というわけで、四角いペットボトルの口をきりとって、1リットルの隔離水槽をつくり、水槽内にぶらさげ、エアチューブをつっこむ。以前稚魚の飼育箱用に分岐させておいたものの流用だ。
で、それに水槽の水を取り、病グッピーを入れ、10cc用意しておいた塩を、少しとりわけドボンと入れる。
乱暴だが、こうすると塩が少しづつ解けて少しづつ濃度が上がるので、よいらしい。時間をおいて、また塩を入れ、塩分濃度をあげていく。
グッピーは、もともと川の水と海の水がまじりあうあたりの魚なので、塩分には強い。水槽そのものに塩を入れている人もいるそうだ。が、並の水草はなかなかそれには耐えられないらしい。
塩は、海水からつくった無添加の荒塩のほうがいいらしいが、精製塩でもないよりはましだろう。ちなみに精製塩だと、水が濁るは、白い沈殿物がたまるわで、それが濃度二倍なんだからグッピーもたまったものではなかったと思う。
……あとでわかったのだが、1リットルの水に10ccの塩では、塩分濃度が2%ぐらいになってしまっていたのだ。もっとも、2%濃度の塩水に短期間という治療法もあるらしい。くわしくは、わからなかったけど。
ともかく2%塩水の中で、グッピーは、どんどん元気がなくなり、血班も大きくなり、その部分の尾がえぐれてきた。また、尾ヒレの外周が白くなり、内周が赤くなった。
病気も進行が早いそうだが、濃すぎる塩分濃度のせいもあるかもしれない。
水の濁りや不純物が気になり、塩分濃度は変わらないようにして、一日二回水を全とっかえする。
エサは、水換えのしばらく前に、いたみにくいと表記されている稚魚用のエサをやる。
4月16日
水を交換した直後は、グッピーは元気だ。
けれど、タイミング的に寝ているグッピーをたたき起こしてしまっただけ、という気がしないでもない。尾の赤い部分が消えてきた。淡く黒っぽい部分が、尾びれの外周の一部に残っているだけだ。
やっとスーパーで荒塩購入。分量を量りなおして、今までの1リットルに10ccが大間違いだったことに気づく。10ccは10gをオーバーしまくり。むしろ5ccのほうが10gに近い。
荒塩で塩水をつくってやると、水の濁りがまるで違う。外がよく見えるようになったグッピーは、メスを追いかけようと一生懸命だ。
元気である。
稚魚が一匹、この隔離水槽に入り込んでいた。水を汲むとき入ったのだろう。というか、水面から水を汲むと、稚魚が入らないようにするほうが、むずかしい。
稚魚はほっておくことにする。
このまま回復するまで、隔離水槽ぐらしの予定だが、もうそろそろ出してやってもいいかもしれない。
カボンバの崩壊はいつしか止まり、新芽が出始めている。
水換えの頻度を減らし、隔離水槽の塩分濃度も、明日ぐらいから少しづつ落としながら様子を見ることにしようと思う。
目に見えて、ブクブクの泡が小さくなり、以前より早く消えるようになってきた。泡が消えなくなるのも、水質悪化のサインだそうで、カボンバ崩壊前からその兆候はあったのだが、少しづつ悪化が進行していたために、見逃していた。
今の状態を、覚えておこう。泡が大きく、消えなくなったら、水換えだ。
4月18日
薄黒い部分とかすかなえぐれは残っているが、グッピーは元気。病魚と知らなければ、まるで病魚に見えないレベルだろう。
塩水浴場の水を捨てては水槽水を足すという方法で、塩分濃度をさげていく。とくに異常はないようだ。
4月19日
塩分濃度を下げて一晩。えぐれたところがかすかに赤いような気がしないでもない。とりあえずまた濃度をあげつつ塩浴続行。
4月23日
昨日からまた塩分濃度を下げて一晩。異常がないようなので、隔離を終える。みんなと仲良くおよいでいる。