(C)hosoe 2007
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初夢2007

ナイツを知らないと、意味不明な初夢
印象的だったので、ここに書き記す。

 人々がワイズマンと戦っている世界。
 ナイツも人々と一緒に戦っていた。
 人々の希望の星であり、ヒーローだった。
 戦う人々の中心にいる英雄だった。
 過去形だ。
 ナイツは、ナイトメアとしての力を失いつつあった。
 もはや満足に飛ぶことすらできはしない。
 そのことを、誰よりも気に病んでいるのがナイツだ。
 イライラしている。
 どこかの部屋の中にいるナイツのところに、人々の中のえらい人がやってきた。
 作戦会議をするらしい。
 そして、そんなナイツに、このところの戦いぶりでは困ると言いに来た。
 もっと頑張ってくれと。
 その言葉で、ナイツがぶちきれた。
 なら、ナイトメアの力を見せてやる。
 狭い部屋の中でえらい人々の周りを飛び回り、手当たりしだい物をぶつける。
 放られた物は物理法則を無視して、ぶつかった物に融合する。
 幸い人間にはぶつかってないようだが、机にめり込んだりしている。
 えらい人々は右往左往するばかりだ。
 部屋を飛び出し、廊下を飛ぶナイツ。
 これがナイトメアってもんさ!
 けれど人々をイジメたことを後悔し始めたとたん、激昂している間戻っていたナイトメアの力が、風船がしぼむように消えていく。
 失速し、廊下の床に落ちてしまう。
 立ち上がり、とぼとぼと歩いて自分の部屋へ行く。
 僕が『歩く』なんて。
 そんな自分を見て、まわりはなんて言うだろう。
 ますます気分が落ち込んでいく。
 自室に入ると鍵をかけ、ベッドに身を投げ出す。
 ベッドに身を横たえる自分に、さらに落ち込むナイツ。
 泣ける気分。けれど泣くことを、ナイツは知らない。
 これじゃあまるで……。
 そのとき誰かが、部屋の扉を開けた。
 鍵をかけておいたのに!
 二度目のブち切れ。
 再びナイトメアの力を取り戻して、暴れるナイツ。
 暴れながらもむなしさを感じる。
 こんな風に暴れるのも、自分らしくない。
 ふと窓の外に目をやると、空が誘っている。
 空高く飛べ! 今なら飛べる! 飛べるうちに!
 眼下に大地が広がる。気持ちがいい。
 やがて赤っぽい岩場が見えてくる。
 飛ぶ力を失う前に、岩場に『着地』するナイツ。
 けれど今度は、着地したことが、あまり気にならない。
 ここはピンク色の水晶が取れる石切場。
 しゃがみこんで、岩のはじっこを拾って、いじくりまわす。
 白と赤茶の屑石だけど、おもしろい。
 ここには、ナイツが信頼している人間の友達がいる。
 水晶を掘り出して、磨き上げるのが彼女の仕事だ。
 二十五ぐらいの女性で、細身で腕力があるわけじゃないけど、意思のパワーを感じる。
 彼女が見つけ、磨き上げた水晶を見せてくれたことがある。
 透明感のあるものや、不透明だけれど雪のようにキラキラしたもの。
 ここで掘り出され、加工された石は、ワイズマンとの戦いに使うらしい。
 今は仕事中だけれど、ナイツが来たことには気づいているから、仕事が終わったらここへ来るだろう。
 ナイツは、子どものように石をいじくりながら、何をどう話そうかと考える。
 ナイトメアの力を失いつつある自分。
 他人の目を気にし、干渉されることに腹を立てる自分。
 自分のしたことに後悔を感じる自分。
 そのことに、ナイトメアらしくない自分に、イライラしている自分。
 彼女のことは、よくわかっている。
 だから彼女への質問を考えるだけで、彼女がどう答えるかも、自然とわかる。
 僕はナイトメアなのに、まるで人間みたいだ。

『人間が嫌かい? それに君が何であろうと、君はナイツだろ?』

 あ!

 ナイツの両足は、すでに地を離れ、意識は風と共にあった。
 そして私は放り出されて布団の中で目を覚ました。