(C)hosoe hiromi
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戦士ヴィエの冒険
細江ひろみ(M−ヴィエ)

2005.2〜

ラディアン怒る

 とうとう、マリアンヌが自分の手を、妖魔の親だまに差しだし、生命の力が代金として、支払われた。この時に、先にスリコギがマリアンヌに渡されたから、やはりこの妖魔は、そんなに悪どいとは、思えない。一応、こっちを信用しているらしいし、だます気もなさそうだ。ここでもダイスが振られ・・・生命力が支払われた結果、マリアンヌもかなり疲れたようであったが、妖魔の方は、悲鳴を上げて、とびすさる事になった。いったい、何が起こったのだろう。耳栓してるから、よけいにわかんなーい。
 かなりの騒ぎになり、やはり正気で、ザム達が変な食べ物を買わない用にと忙しかったラディアンが、こっちの異常に気づいて、駆けつけてくれた、
 こんなに騒ぎになっていても、やっぱりヴィエの興味は、目の前のパンだろう。なにしろ、ファンブルを振ったのだから。
「てめぇ!マリアンヌに、何しやがる!」
と、短剣片手に妖魔につめよった。妖魔の方は
「この場所の平和を乱すおつもりですか!」と抗議したが、それはラディアンのプレイヤーの一言で、却下された。
「ラディは、耳栓をしているので、なーんにも、聞こえません。聞こえないままに、何しやがる!と、叫んでいます」
「では、ヴィエはどうします?」とマスターが聞く。ヴィエにとっては・・
「ヴィエも、耳栓をしていて何も聞こえません、マリアンヌがパンを買っていたら、妖魔が飛び上がって、ラディアンが血相を変えて飛んできたとしか、わかりません。だからアウ?ってな顔をして、見ています」と言って、「アウ?」っと言ってみせた。
 一方、ラディアンと妖魔は、
「地元の娘が腹を壊したのも、おめえらのせいだな!」
「我々は、商品に対して、対等な代価を戴いているだけです」
「でも、ぜんぜん聞こえない」
 で、とうとう妖魔とラディアンが戦闘になるか!とゆうときに、マリアンヌは、ヴィエを下がらせるために、
「ヴィエちゃん、危ないですから、下がりなさい。と言って、後ろに引っ張ります」
 うーんと、マリアンヌの言葉も、ヴィエには聞こえないなあ。だからきっと・・
「後ろに、コケます」
 こんなものだろう。
「では、妖魔の親だまが、巨大な口を開け、カァ!っと霧を吐くと、そのあたりの地面から、こんなものが、モコモコッっと出てきます」
 とマスターが置いたのが、最初にヴィエを半殺しにした、剣を持った骸骨。これはあ!さっきはよくもやってくれたな!とゆうのが3分の1と、あれをやっつけなければ、マリアンヌが危ない、とゆうのが3分の1。それに、
「今この妖魔の市が騒ぎになっているのは、あの骸骨が原因なんだな!おかげで妖魔のパンを、買い損ねたじゃないかあ!」
とゆうのが3分の1で、いきなり、骸骨にむけて、剣を振り上げてつっこんでしまった。
 ヴィエが、悪いのは骸骨であって、物売りの妖魔ではない、と考えるだろう、と思ったのは、たくさんいる物売りの妖魔が、戦闘に参加するどころか、商品を抱えて右往左往していることも、要因の一つだった。どうしても、彼らから、悪意を感じられないのだ。
 また、ヴィエは頭にきていて、あの骸骨に、又酷い目にあうかもしれないことなんて、思ってもいなかった、このとき、私自身も、そんな事を考えていなかったから自分でもおめでたいものだと、後で思った。
 そうやって、ラディアンとヴィエが戦い始めたところで、逃げようとした妖魔の親だまが、スモモの事しか頭にないザムに、飛び蹴りをくらわしてしまった。それで、
「蹴られたら、10倍にして蹴り返す!」
と、ザムが親だまに、戦闘を仕掛けた。しかも、あっさりと、親だまがやられてしまうと、物売りの妖魔達も、土の下から現われた骸骨も、いっせいに逃げ出してしまった。
 唯一狩人のカーノが、妖魔にスモモの呪い?に掛かったリアンナさんの治療法を聞かなければと、妖魔の一人を捕まえたが、騒ぎが終わってみると、妖魔だったものは、「タヌキ」に姿をかえてしまったとさ・・・。
 しかし、「癒しの鋼」の方はなんとか本物で、魔剣:月の鏡の病も治り、めでたしめでたし。

「よーし、売っていたスモモが落ちてないか、調べるぞ」とザム。
「スモモは、確かにスモモだが、小さくて酸っぱそうな、ウラナリのスモモだね」
「しまった!俺は狩人なのだから、最後に捕まえたタヌキの皮を剥げばよかった!」
「カーノ、それは、かわいそうだよお」
「狩人が、そんな事いっていては、生きて行けない」

 そんなこんなで、忘れ去られたリアンナさんには悪いが、なんとかめでたく、今日の冒険が、終了した。



 こうして私は、テーブルトークRPGを、初めて体験したのである。まず、キャラシートも、計算やダイスの振り方も、思っていたよりも、ややこしいものではなかった。
 もちろん、RPGのルールは、それぞれ違うから、もっと難しくてややこしい物もあるのだろうが、少なくとも簡単な物もあるのだ。もっとも、どれが難しくてどれがわかりやすいのかは、私にはさっぱりわからない。
 とにかく、やってみれば案外簡単とゆう事は、何にでもあるものだが、得にRPGとゆうのは、やってみるまでが、難しそうに、見えるのだそうだ。
 他のプレイヤーやマスターと、顔を突き合わせてプレイする事については、どうもまだまだ、気恥ずかしさが先にたってしまった。録音を聞きかえしていると、けっこうノって大声を出しているのだが、たしかあの頃は、他のメンバーの顔を、見ないようにプレイしていたような気がする。(もっとも、あの時は初対面だったことも、気恥ずかしさの大きな要因だっただろう)
 今でも私は、PCの発言をする時、プレイヤーやマスターを見ずに喋っていることが、あるらしい。
 それから、フィギュアを、フロアタイルの上に並べると、やはりPCの位置関係がはっきりする。これはケーブルトークでは、ちょっと難しい。ケーブルトークでもやって出来ない事もないが、位置関係だけは実際に目の前にあるのと無いのでは大きく違う。
 やはり、テーブルトークRPGを、そのままケーブルトークRPGに持ち込もうとすると、ちょっと無理があるようだ。ケーブルトークに持ち込める情報量:NPCの声色や、PCの位置関係、細かい戦闘の処理などを全てケーブルトークRPGに持ち込もうとしても、それでは時間が掛かり過ぎる上に、完ぺきに同じようには、行かないだろう。
 しかし、そういった物を、全て切り捨ててしまえば、あとはそれぞれの参加者の想像力が、いくらでもその欠如分を、埋めてくれるだろう。PCも、PCが旅する世界も、フィギュアとフロアタイルよりも、よりリアルに感じることが、出来るかもしれない。
 結局、どちらのRPGも、どうやってプレイするかは、千差万別なのだ。その時のマスターとプレイヤー、そしてどんなRPGシステムを使ったかで、RPGはどんどん代わってゆく。どんなRPGが面白いかは、本当にそれぞれの好みしだいだろう。
 私?今は、テーブルトークかケーブルトークかよりも、誰と一緒にプレイするかの方が気になる。そして、私が充分楽しむ事ができて、その上出来ることなら、「ヴィエと一緒にやるRPGは、面白い」と言われるようなプレイヤーになりたいと思う。





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