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戦士ヴィエの冒険
細江ひろみ(M−ヴィエ)
2005.9〜
策略
ヴィエは、龍騎士として行動すると、自分に対して決めている。たとえ、身体が毒に侵されても、それは変わりはしないだろう。
ヴィエが、これからなさなければならないのは、ヴィエの命がつきる前に、新しい龍騎士を探すことだ。まず、これが一番。
次に龍騎士が病気であることを、魔王グレヤロールとその手下のオークの軍、それに対抗する人間都市同盟軍に知られてはならない。今、グレヤロールとの戦いのほとんどは、同盟軍によってなされている。それを率いている龍と龍騎士そのものの力は、局地では圧倒的だろうが、全体から見ればたいしたものではないはずだ。その点については、オーク軍を率いるシュビナスも同じだろう。
ただ、龍と龍騎士の後ろだてがあるかないかは、戦う者達の志気に大きく関わるはずだ。だから、ヴィエの病気は公にしてはならない。そうだ。ネイディアに龍騎士の代わりを努めてもらおう。ネイディアの亜人間ぎらいで魔法ぎらいついでに高所恐怖症では、頼んでも、ネイディアに龍騎士を引き継いでもらうのは、無理かもしれないけれども、龍騎士のまねごとをやっているうちに、本物の龍騎士になれるかもしれない。それ以上に、龍に女戦士のネイディアが乗って、兵士達の上空を飛べば、兵士達は龍騎士の存在を信じ続けるはずだ。
こうなってくると、事件がヴィエの龍騎士お披露目パーティで起こったのは、ある意味でよかったなぁ。新任の龍騎士が女であることは、世間にひろまっただろうけど、新聞も週刊誌もないこの世界では、龍騎士の容姿までは一部にしか知られていないだろうからなぁ。もし、ネイディアに龍騎士の正装をさせてヴィエと並べさえすれば、まだまだ子供のヴィエよりも龍騎士に見えるはずだ。よし、ネイディアが留守番に決まり。
では、この計画をネイディアに話すか。まぁ素直にウンとは言わないだろうなあ。ならば、引き受けざる得ない状態に追い詰めてやればいい。もし、ある日ヴィエが砦からいなくなってしまえば、そして、書き置きだけが残されていれば、いくらネイディアだって引き受けるだろう。ただ、毒の影響だけは、はっきり書かないでおこう。本当の事を伝えてしまえば、ヴィエを探すことに、一生懸命になってしまいかねない。砦の方は、これでよし、と。
次にヴィエの方だけど・・・。まず、月の鏡は手放せない。ヴィエの命の綱になってしまっている。それに、毒のために体力の落ちたヴィエには、普通の長剣は重すぎて扱う事ができない。だが、目だつ月の鏡を頻繁に使えば、人目を集めることになるだろう。一応武器として、普通の中剣が欲しいところだ。それにしても、無闇な使い方は止めて置こう。
次に龍との契約の時に使う指輪・・は、指輪は、その力故に持ち主を選ぶ月の鏡とは違うのだ。いくらなんでも、野垂れ死ぬ可能性のある旅に、これは持って行けない。ネイディアへの置き手紙と一緒に、砦に置いて行こう。
最後に旅仕度は、今の季節は秋だから、まず厚手のローブが欲しい。これは、腰に帯びた月の鏡を隠し、戦士である事を偽装するためと、弱った体を寒さから守るためだ。
防具といえば、この状態ではプレイトメイルはおろか、ヴィエが冒険に出た時に着ていたような鎖帷子さえしんどい。せいぜいレザーのベスト位がいいなあ。
この辺りの持ち物の決め方は、以前通り気分で決める。それにしても、龍騎士の正装で活躍できる回が無かったのは、今でも残念だなあ。
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