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■このごろ堂へはまりもの海のトリトンHOME

注  これは古いコンテンツです。
 両棲人間にかまけて、長らく更新しておりませんし、海のトリトンについては、もっと詳しいサイトがいくつもありますので、ことさら更新したいとも思わなくなってしまいました。
 そちらを御覧になることを、お奨めいたします。
 よろしければ、両棲人間の方も、ごらんください。

海のトリトン2

トリトン族とポセイドン族

海のトリトンには2つの水中種族が、登場します。
 ひとつはもちろん、トリトン族。もうひとつは、ポセイドン族です。
 いずれも、大昔に滅んだ人間の文明が作り出した、人間と獣をあわせた多数の種族のうちの、海の2種です。
 もっと多数の人工種が、陸にも海にも空にもいたようですが、少なくとも物語には、この2種しか登場しません。

トリトン族

 トリトン族は、女性は人魚体型、男性は人間体型の、種族です。
 ともに水中、空気中両方での呼吸が可能ですが、人魚形の女性が地上で活動するのは、かなりしんどい状態になります。
 そして特に男性は人間そっくりですが、男女ともに髪は青く、そして男性でも足指がないようです。(秋田文庫版1巻22ページ参照)
 トリトン族は、見た目よりもずっと人間とかけ離れた種族です。
 まず、卵で生まれます。卵は一度に数個、受精卵で生まれるようです。
 卵は太陽で温め、孵った時点では、まだ体長は20センチ前後。
 最初から男は人間形、女は人魚形で、これは一生かわることは、ありません。
 そしてトリトン族は、変体を繰り返しながら成長します。
 つまり、人間のように少しづつ大きくなるのではなく、ある日突然成長するのです。
 その成長にかかる期間は、半日から1日と短く、その間昏睡状態となります。
 一回目の変体を終えると、ほぼ人間の6ヶ月程度の赤ん坊ほどになります。なりは赤ん坊ですが、中身は人間の1〜2才児程度のようです。
 トリトンの成長の過程は、よくわかりませんが、幼児期に行方不明になった義理の兄が少年期に再登場したとき、10年以上が経過したとあります。
 また、普通に学校に通ったりもしていたようですが、その間何度か変体しているようですから、4回で成人というわけでは、なさそうです。
 しかし、海に出てからはしばらく変体がなく、次に変体したときほぼ人間の5年分成長し成人しました。そしてルカーが、「人間の5年分成長する」と言っているところをみると、それが普通のようです。
 そしてピピ子は、このトリトンの少年期に一回目の変体を終えた状態で登場し、トリトンが次の変体を体験する前に二回目で幼児体型、三回目で少女体型、四回目で成人しました。
 この成長の違いが男女差によるものなのか、それとも陸育ちと海育ちの違いなのかは、わかりません。
 ですが、人間よりも心持成長が早いのが、正常なようです。ルカーも、「人間よりも育ちが早い」と、言っています。(1巻253ページ参照)
 その後どうなるのかは、作品には書かれていません。

 人間に育てられたトリトンのメンタルな部分は、人間への同化傾向が強く、海でトリトンとイルカたちに育てられた、よりトリトン族らしいピピ子を、ときおり異種として認識してしまうようです。  トリトン族の人口が多かったころ、彼らは海岸に、海を直接引き込んだ家を建てて住んでいたようです。

ポセイドン族

 ポセイドン族は、不老不死の種族です。
 体型はずんぐりむっくりで、額に角があり、そこから電撃のようなものを飛ばすことができます。男女差の体型の違いは、ありません。
 しかし、子供のころは不老不死でもありませんし、体型は個体によってまったく異なるのです。
 トリトン族が、種として独立した完成された種族だとすれば、ポセイドン族は未完成の種族といっていいでしょう。
 ポセイドン族は、機械なしでは子をなせません。
 そしてポセイドン族の伴侶は、ポセイドン族ではないのです。
 そもそもポセイドン族は、一家族しか存在しません。
 通常ポセイドン族は、その文明の力によって、さまざまな海の生き物にヒューマノイドの体型と知能を与え、部下や召使として使っているのですが、伴侶はその中から選ばれます。
 こうして作られた亜種は、死ねば本来の姿に戻ってしまいます。
 ポセイドン族の王(あるいは女王)は、多数の伴侶の間に、多数の子を作ります。
 子供は伴侶の形質を受け継ぎます。
 人間によく似た者もいますし、怪物じみたものもいます。変身や脱皮といった、特殊能力を持つものもいます。
 人間に似た者は、人間のふりをして、人間と交渉を持つ者もいます。
 多数の子の中で、もっとも王の眼鏡にかなったものが、次の王となります。
 そして引退した前王は、永遠の眠りにつくのです。
 この眠りは死の比喩ではなく、起きることができる眠りです。

 ポセイドン族は、海底に巨大な建造物を作って、そこに空気を満たして、暮らしています。
 ポセイドン族の子供の場合、空気呼吸はほぼ可能なようですが、水中でないと活動しにくい体型の者もおり、あまり便利ではなさそうです。
 また、そうした者のための、歩行機のようなものも、用意されています。
 ポセイドン族が、このような暮らしをはじめたのは、つい最近のことです。
 陸の人間から資材や武器を買い、攫ってきた陸の人間を働かせるためにそうしているのです。
 ポセイドンは、この巨大建造物をトリトンに対して使うと言っていましたが、実際には対人間用の砦でした。
 それ以前どんな暮らしをしていたのかは、わかりません。

トリトン族とポセイドン族が争う理由

 トリトンの親が残したメッセージによると、古代さまざまな種を作った人間たちは、トリトン族に海の守り手のような立場を与えたのですが、それが他の海の種族の不興を買ったのが始まりだったそうです。
 しかしこれはトリトン族側からの見方ということを、差し引いて考えなければ、公平とはいえません。たぶんポセイドン族に聞けば、別の答えが返ってくることでしょう。
 陸で育ったトリトンや、まだ若いポセイドンの子供ヘプタポーダは、憎いから憎い、一族の敵だから敵という、あいまいで、それゆえに修復のしようがない関係へ、きてしまっています。
 その憎しみと長年の争いが、互いに互いを一族の仇としてしまっているのです。
 しかし、大亀ガモノスが間に入り、この争いは一時は休戦し和解するかに見えました。
 ですがポセイドン側の裏切りにより休戦は決裂、最終的にはポセイドン側の全滅で終わりました。

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次回予告
 昔のグッズはアニメものでレア扱い。
 最近原作版グッズが作られてるんだけど?
 とにもかくにも、イルカクリーック!